2024年の池と川巡り 池巡り その1

2023年度まで、福岡県レッドデータブックの委員を引き受けていました。

2023年10月以降、山や里など陸上の虫の時期はそろそろ終わりと言うことで、レッドものの調査のために、池巡りをすることを思いつきました。

便利なもので、最近は、インターネットのグーグルの地図で、溜め池を探すことができます。

また、すぐに、航空写真モードに切り替えて、実際の池の様子が見られます。

拡大してみると、大抵の溜め池は、コンクリートで囲まれ、水際には植物も無く、あるいは周囲に柵や金網が張られて、水辺には近づけなくなっています。

さらに、グーグルには、ストリートビューという機能があって、見つけた池のすぐ近くまで、まともな道があれば、画面上でそこを通りながら、車目線で、池を見ることができます。この操作で、ほぼ調査したい池の目星を付けることができます。

とりあえず、以上のような操作を繰り返し、久留米から日帰りで行ける水生昆虫のいそうな池を選び出し、地図を印刷しました。

水際に水草が生え、水際まで近づけそうで、水生昆虫が確認できそうな溜め池は、地図に載っている池の十分の一も有りません。

そして、國分さんに同行していただいて、池巡りをしてみたわけです。

出かけてみると、予想とはずいぶん違い、まず、地図上では簡単にたどり着けるはずの池になかなか着きません。

また、池について眺めてみると、グーグルで見たのとは状況が違っていたりします。
水が抜かれてしまっていたり、有ったはずの水生植物が無かったり、思ったより水質が悪かったり・・・。

一見良さそうに見えても、掬っても何もいなかったりします。

結局、何らかの水生昆虫が見つかったのは、候補に挙げて見て回った池の十分の一以下。
当初、地図上で見た溜め池の数からすると百分の一以下と言うことになります。

2023年度は、時期も遅かったこともあり、たいした成果は上がりませんでした。
得られた虫もほとんど水生カメムシ類で、その結果については、現在、久留米昆蟲研究會の会誌 KORASANAに投稿中です。

明けて2024年、改めて春から池巡りをしました。

前年の秋に目を付けた池が、朝倉市、うきは市で、5カ所ほどありました。

3月14日、國分さんと、斉藤さんを誘って、これらの池に出かけました。
まだ少し早いのですが、虫屋の虫がうずうずするのと、夏場のライト等の下見のつもりでした。

この日は、5カ所の溜め池を巡ったのですが、一般の地図では、なかなか溜め池の正確な名前は解りません。
國分さんとも、色んな資料を当たって、名前を調べていたのですが、久留米昆の有馬さんから、耳寄りの情報を伺いました。

インターネット上に、全国農業用の溜め池の場所と名称を網羅したサイトがあることを教えていただいたわけです。
今後は、その名称を使用させていただきます。

全国農業用ため池マップ

400 Bad Request

実際に調査し、このマップで解った溜め池の名前は、以下の5つになります。

  1. 柿原・堤上(つつみうえ)池
  2. 烏集院・鐘突(かねつき)溜池
  3. 須川・小隈裏(おぐまうら)溜池
  4. 浮羽町朝田(あさだ)池
  5. 吉井町鷹取・一の瀬中(いちのせなか)溜池

これらの位置関係は、以下の図の通りです。

(池巡り・広域図)

池巡り・広域図

その後、2024年度中に、これらの池を何度か探索しましたが、煩雑になるので、池ごとに状況を紹介したいと思います。

  1. 朝倉市柿原・堤上(つつみうえ)池

朝倉市柿原にある50m四方程度の広さの池です。

(堤上池の位置)

堤上池の位置

3月14日、國分さん、斉藤さんと下見に行きました。

池は浅く、だいぶ陸化しているようで、水深は10-30cm程度。吐出し口付近のみ1m近くある模様。岸部近くはかなり、ヨシを始めとした水生植物が繁茂し、周辺は草地と樹林もあり、一見、水生昆虫も何かいそうな感じがしました。

(堤上池)

堤上池

周辺を見て回り、多少、水中を掬ってみます。
2023年秋に掬ったときは、コガタノゲンゴロウ、コシマゲンゴロウ、ヒメガムシなどがいましたが、この日は特に何も入りませでした。

周囲の草と木のスウィーピングではトビイロマルハナノミ、オドリコソウチビケシキスイ、ダイコンハムシ、イタドリハムシ、アカタデハムシが入りましたが、春もまだ早すぎて虫もでていないようです。

(石起こし採集)

石起こし採集

岸辺に多少礫があったようで、國分さんと斉藤さんは石起こしをしていました。
國分さんは、ヒラタコミズギワゴミムシ、ニセマルガタゴミムシ、スジミズアトキリゴミムシ、ヒメサビキコリを見つけていました。

まあ、この池は、時期が良ければ虫がいないこともないな、といった感じです。

7月6日、國分さん、斉藤さんと灯火採集の場所探しに行きました。

(7月6日の堤上池)

7月6日の堤上池

國分さんは、ビーティングで、アオヘリホソゴミムシ、サビキコリ、クチブトコメツキ、アミダテントウ、ヤツボシハムシ、タケトゲハムシを採っていました。

(池の周囲でビーティングする國分さん)

池の周囲でビーティングする國分さん

このうち、ヤツボシハムシは、本州には広く普通に分布する種ですが、元々九州の分布は知られていなかった種で、四国の記録はありません。
福岡県内のハムシの調査を、1990年頃まで、ほぼ隈無くやられていた故・高倉康男さんのリストには出てきませんので、福岡県にはその後侵入したものと思われます。
このあたりの経緯は、城戸さん、緒方さんと一緒に報告しました(城戸ほか, 2019)。

(ヤツボシハムシ)

ヤツボシハムシ

この報告では、以下の地点で記録してます。( )内は採集年です。
北九州市平尾台(2012)
北九州市八幡西区香月市民の森・尺岳(2015)
同八幡西区洞北緑地・若松区石嶺山・八幡東区皿倉山(2018)
筑紫野市大根地(おおねち)山(2019)
添田町英彦山(2019)

どこにでも広く分布するエノキをホストとする種で、福岡県では、北九州から入って、ほぼ西端の朝倉市までも進出してきていると思われます。
既に佐賀県まで入っているという話も聞きます。

城戸克弥・今坂正一・緒方義範, 2019. 福岡県でヤツボシハムシを採集. 月刊むし, (586): 49-50.

今回、灯火採集はパスして、桜の木にはライトFITを付けることにしました。

(ライトFIT)

ライトFIT

これを、7月9日に回収しましたが、ホソチビゴミムシ、ヨツモンコミズギワゴミムシ、カラカネゴモクムシ、キイロチビゴモクムシ、キベリゴモクムシ、ミドリマメゴモクムシ、イツホシマメゴモクムシ、ウスモンケシガムシ、セマルガムシ、キベリカワベハネカクシ、ニセヒメユミセミゾハネカクシ、ヤエヤマニセツツマグソコガネ、アオドウガネ、ドウガネブイブイ、ハンノヒメコガネ、セマダラコガネ、チャイロコメツキ、ベニモンチビカツオブシムシ、マルガタキスイ、ヒレルクチブトゾウムシが入っていました。

大部分、水辺と草地、桜林にいる種です。でも、期待していた、所謂水物は、セマルガムシだけです。

ヤエヤマニセツツマグソコガネがちょっと意外でしたが、相当、広範囲に分布が拡大しているようです。

それより、ホソチビゴミムシ、キベリカワベハネカクシ、ハンノヒメコガネは河川敷にいる種で、池もの(池で世代交代する種)とは思えない種です。

この後、再度ライトFITを設置して、7月23日に回収しています。
設置したのはその1週間くらい前ですが、メモを忘れたので不明です。

このときは、先に紹介した種以外に、アトモンミズギワゴミムシ、チャイロコミズギワゴミムシ、オグラヒラタゴミムシ、キアシチビコガシラハネカクシ、セマルケシマグソコガネ、キスジミゾドロムシ、イブシアシナガドロムシ、リュウキュウダエンチビドロムシ、クズノチビタマムシが入っていました。

このうち、セマルケシマグソコガネ、キスジミゾドロムシ、イブシアシナガドロムシの3種と、上に挙げたスジミズアトキリゴミムシ、アオヘリホソゴミムシ、ホソチビゴミムシ、キベリカワベハネカクシ、ハンノヒメコガネの5種は、基本的には河川のみに分布する種で、河川種と呼んでいます。

河川種の定義は、今坂ほか(2024)で提唱したものですが、「河川のみに生息する種で、堤外地の流水内、砂礫河川敷、および水際、河畔林に限って生息する種」としています。

今坂正一・有馬浩一・國分謙一・斎藤 猛, 2024. 筑後川の甲虫相-その1 中流域-. KORASANA, (102): 31-106.

少なくとも、これらの種は、堤上池のような溜池で世代交代ができるとは思えません。

それも、堤上池で得られた44種のうち、河川種が8種(18.2%)も見つかるというのは不思議です。

なお、上記のことを確認するために、今坂ほか(2024)を再確認したところ、表1の分布表の中で、セマルケシマグソコガネをニセセマルケシマグソコガネと表示し、カテゴリーも砂浜と砂地の河川敷に生息する準河川種B2と表示していることが判明しました。

(セマルケシマグソコガネ:左 とニセセマルケシマグソコガネ:右、側面、背面)

セマルケシマグソコガネ:左 とニセセマルケシマグソコガネ:右、側面、背面

実は、最初にこの表を作成した時点では、砂浜と、筑後川の砂地の河川敷に生息する種は同じくニセセマルケシマグソコガネと考えていたわけです。
それを、大塚さんの指摘もあって、この類の専門家・越智さんに同定していただいて、砂浜と河川のものは別種で、砂浜産はニセセマルケシマグソコガネ、筑後川産はセマルケシマグソコガネということが明らかになりました。
その後、本文は訂正したものの、考察と表1の方は訂正するのを忘れていたようです。

いずれ機会を見て訂正します。
ということで、セマルケシマグソコガネは河川種ということになります。

  1. 朝倉市烏集院(うすのいん)・鐘突(かねつき)溜池

(鐘突溜池の位置)

鐘突溜池の位置

ここは集落の裏手、烏集院天満宮の背後にある径60m程度の五角形の溜池です。背後はなだらかな丘で全面柿畑です。

(2023年11月の鐘突溜池)

2023年11月の鐘突溜池

2023年11月に訪れた際は、かなの水量が少なくなっていて、干上がった岸辺にはなぜか、大量の大型のドブガイの一種の貝殻が散乱していました。

(ドブガイの一種の貝殻)

ドブガイの一種の貝殻

ドブガイの仲間も最近、全国的に激減しているので、それが生息している池なら、何かいるかもしれないと思ったわけです。

改めて、2024年3月14日再訪しました。
水量はだいぶ回復し、泥の岸辺は見られませんでしたが、前年秋に越冬で集合していたカミナリハムシは、無事、日だまりで活動していました。
これから分散するものと思います。

(越冬していたカミナリハムシ)

越冬していたカミナリハムシ

また、7月6日、堤上池のあと、國分さん、斉藤さんと再訪しました。
この日は、溜池の調査をしたいと言っていた大塚さんも参加しました。

(7月6日の鐘突溜池)

7月6日の鐘突溜池

水面は大部分がヒシで覆われてしまっており、岸辺のヨシ類もごく一部に生えているだけです。

水辺はあまり探索できそうになく、池の東側は樹林がほぼ遮っていて、ライトFIT設置も難しそうです。

背後の丘の上は墓地のようで、道の右側には何やら花が咲いているようです。

(池の背後)

池の背後

よく見ると、ナンキンハゼの花で、それも満開です。
ハチを始めとして虫の羽音がします。

がぜん皆張り切って花を掬い始めます。

(ナンキンハゼの花を掬う斉藤さんと大塚さん)

ナンキンハゼの花を掬う斉藤さんと大塚さん

「これって、クロトラカミキリでは?」と大塚さんが言い出して、見ると、翅端のトゲが無さそうで、確かにクロトラカミキリのようです。

(クロトラカミキリ)

クロトラカミキリ

「なぜ、こんなところで?」と思いながら、2021年には、斉藤さんのガソリンスタンドで、本種が2個体も見つかったことを思い出しました。

斉藤 猛, 2024. 福岡県での甲虫類採集事始め2021-2022. KORASANA, (102): 107-113.

(斉藤さんの報告のクロトラカミキリ写真・モノクロ)

斉藤さんの報告のクロトラカミキリ写真・モノクロ

斉藤さんの報告には、以下のようにコメントされています。

「城戸(2019)によると、本種の福岡県内の記録は、混乱していた戦前の記録を除き、ほぼ確実な記録としては、福岡市内、三郡山、筑紫野市宮地岳など数例の記録しか無く、筑後地方では大牟田市の2例があるだけ、ということである。それも2000年代以降の記録は知られていない。

自動車の出入りの激しい立地だけに、別の場所から運ばれてきた可能性と、複数得られているので近傍で発生した可能性があり、今のところ判断できない。」

福岡県においては、本種は、かなりの珍品な訳です。

斉藤さんと大塚さんは、花の大部分を掬って、それぞれ、数個体ずつ採集したようです。

國分さんは、花などをビーティングして、アオミズギワゴミムシ、トビイロマルハナノミ、ホソコハナムグリ、サビキコリ、コクロヒメテントウ、サメハダツブノミハムシを採られていました。

ホソコハナムグリも筑後地方では結構、珍しい種です。

(ホソコハナムグリ)

ホソコハナムグリ

後日、聞いた話によると、大塚さんは、翌日もこの花を掬いに来て、どちらも、数個体以上採られたようです。

私も、7月9日に各池のライトFITの回収がてら、鐘突溜池にも寄り、花を掬って下の写真のように採集しました。

(7月9日の採集品)

7月9日の採集品

クロヘリアトキリゴミムシ、ホソコハナムグリ、シズオカヒメハナノミ、トゲヒゲトビイロカミキリ、ヨツスジトラカミキリ、クロトラカミキリが入っています。

こんなに、クロトラカミキリがまとまって採れた例を知りません。

それで考えたのですが、ここから、斉藤さんのガソリンスタンドまで8kmくらいで、周囲の環境はあまりは変わりません。
この地域は柿(杷木柿)の名産地で、周囲には、どちらも柿畑があります。

クロトラカミキリはこの剪定された柿の枯れ枝をホストにしているのではないかと思うのです。
あるいは、ホソコハナムグリもそうかもしれません。

一方、期待したライトFITは風で吹き飛ばされたようで、何も採れませんでした。

それでも心残りで、改めて別の日にライトFITを設置に出かけ、7月23日に回収しました。

その中には、ヒラタコミズギワゴミムシ、キイロチビゴモクムシ、ミドリマメゴモクムシ、ニセヒメユミセミゾハネカクシ、カワベナガエハネカクシ、キアシチビコガシラハネカクシ、ヒラタドロムシ、キベリナガアシドロムシ、キスジミゾドロムシ、イブシアシナガドロムシ、アワツヤドロムシ、リュウキュウダエンチビドロムシ、(仮称)マルチビドロムシ、ヨツボシホソアリモドキ、ヒシチビゾウムシが含まれていました。

明らかに池ものと呼べるのは、ヒシに着くヒシチビゾウムシだけです。

そして、堤上池同様、河川種であるカワベナガエハネカクシ、ヒラタドロムシ、キベリナガアシドロムシ、キスジミゾドロムシ、イブシアシナガドロムシ、アワツヤドロムシ、(仮称)マルチビドロムシの7種が含まれています。
これはどう考えたら良いのでしょうか?

((仮称)マルチビドロムシ)

(仮称)マルチビドロムシ

この種は、筑後川特集号(今坂ほか, 2024)でチビドロムシの近似種として記録した未記載種です。
記録はされていませんが、九州各地の数カ所の大河川でも採れています。

近似のチビドロムシ、リュウキュウダエンチビドロムシと並べたのが次の写真です。
体形、毛の長さと色などで、一見して、違いがわかると思います。

(左から、マルチビドロムシ、チビドロムシ、リュウキュウダエンチビドロムシ)

左から、マルチビドロムシ、チビドロムシ、リュウキュウダエンチビドロムシ

それから、キベリナガアシドロムシとアワツヤドロムシも意外でした。

2種共に、今坂ほか(2024)作成時には、筑後川という記録はあるものの、データ付きの具体的な記録は見つけられませんでした。

県内のヒメドロムシ類のまとめである緒方・中島(2006)のデータ中でも、筑後川本体の記録はなく、支流の甘木市(現・朝倉市)小石原川で前者が1例、後者が2例記録されているだけでした。

緒方 健・中島 淳, 2006. 福岡県のヒメドロムシ. ホシザキグリーン財団研究報告, (9): 227-243.

2種共に、福岡県RDB種として扱われてもいますので、よけいに、なぜここで?、そして、なぜ溜池で?と、いぶかしく思ったわけです。
特に、キベリナガアシドロムシは2個体でしたが、アワツヤドロムシは15個体も含まれていて、この近くで発生していることは間違いありません。

(キベリナガアシドロムシ: 左、アワツヤドロムシ: 右)

キベリナガアシドロムシ: 左、アワツヤドロムシ: 右

結局、鐘突溜池でも、確認した27種のうち、河川種は7種(25.9%)でした。

さて、
順番からいくと、次は、朝倉市須川・小隈裏(おぐまうら)溜池になりますが、ここは特にデータが多いので、次回に回します。

3, うきは市浮羽町朝田(あさだ)池

この池は、うきは市のほぼ中央、合所(ごうしょ)ダムの北1.2kmあたりにあります。

(朝田池の位置)

朝田池の位置

この池の周囲は、柿畑と水田、畑、集落などですが、池の南岸にはかなり大木となるヤナギがちょっとした河畔林のように繁茂していました。

ヤナギの大きさから考えて、この溜池はもう2-30年くらいは、使用されていないと考えられます。

池の中も湿地の様相を呈しており、水面が見えるのは3割くらいで、あとの7割はすべて水生植物で覆われています。

見た感じとしては、調べた池の中で、最も水生昆虫には適しているように思われました。

(2023年11月の朝田池)

2023年11月の朝田池

ただ、水辺にたどり着くのは、ぬかるむ水生植物の上を歩くほかなく、ようやく、長靴に水が入らないルートを探して掬って、コオイムシとアオバアリガタハネカクシを見つけただけでした。

(2024年3月14日の朝田池と、捕まえたコオイムシ)

2024年3月14日の朝田池と、捕まえたコオイムシ

その他、今坂はヒメカミナリハムシと、ヤナギからズグロキスイモドキとモンイネゾウモドキを落としただけで、國分さんは、石起こしなどで、コヒメヒョウタンゴミムシ、ツヤマメゴモクムシ、ツブノミハムシを採られていました。

私は、ヤナギの根元あたりにイエローパンを設置して、3月23日にはコホソナガゴミムシ、ネアカヨツメハネカクシ、ニセヒメユミセミゾハネカクシ、チビクビボソハネカクシ、ウスチャケシマキムシ、イチゴハムシ、ツブノミハムシを回収し、

3月27日にはイエローパンの回収後に、周辺をビーティングして、コモンシジミガムシ、ヒラタハナムグリ、キベリチビケシキスイ、キイロテントウダマシ、ヒメカメノコテントウ、コガタルリハムシ、ヤナギルリハムシ、イチゴハムシ、キイチゴトビハムシ、タケトゲハムシ、ケブカホソクチゾウムシ、イチゴハナゾウムシを採集し、菜の花には外来種のオオダイコンサルゾウムシ多数が見られました。

また、7月6日には、なんとかここで、灯火採集がをしたいと思って、周囲を巡ってみたのですが、どうしてもやれそうな場所が無く、ライトFITだけを設置しました。

(ライトFIT)

ライトFIT

これを7月9日に回収しましたが、ホソチビゴミムシ、ウスオビコミズギワゴミムシ、ヒラタコミズギワゴミムシ、ヨツモンコミズギワゴミムシ、タンゴヒラタゴミムシ、ミドリマメゴモクムシ、キイロヒラタガムシ、トゲバゴマフガムシ、ツマアカナガエハネカクシ、アカバナガエハネカクシ、キアシチビコガシラハネカクシ、チャイロチビマルハナノミ、ニッポンチビマルハナノミ、トビイロマルハナノミ、(仮称)マルチビドロムシ、マダラチビコメツキ、アカマダラケシキスイ、マルガタキスイ、ヒメムクゲオオキノコ、ケシコメツキモドキ、ヒメアカホシテントウ、コフキゾウムシくらいです。

ここでも、マルチビドロムシが入っていたのは意外でしたが、池ものはニッポンチビマルハナノミくらいでした。

マルチビドロムシはやはり、川から飛んできたのでしょうか?
あと、ホソチビゴミムシとコモンシジミガムシも河川種です。

(マルチビドロムシとニッポンチビマルハナノミ)

マルチビドロムシとニッポンチビマルハナノミ

朝田池では47種確認しましたが、上記種を除いて特筆すべき種が採れていません。

見かけからして、もっと何かいるはずで、今後の調査に期待したいところです。

  1. うきは市吉井町鷹取・一の瀬中(いちのせなか)溜池

(一の瀬中溜池の位置)

一の瀬中溜池の位置

この池では、2023年11月にミズカマキリを採集しました。

(2023年11月の一の瀬中溜池とミズカマキリ)

2023年11月の一の瀬中溜池とミズカマキリ

ミズカマキリは、小石原ではいくつか見ましたが、筑後地方の平地では、私は初めて見ました。

池には、ヒルムシロも生えていて、「これは何かいそうだ」と思いました。

2024年3月14日期待して出かけたのですが、ヒキガエルのおたまじゃくしが見られただけでした。

(水を掬う斉藤さんと、おたまじゃくし)

水を掬う斉藤さんと、おたまじゃくし

しかし、おたまじゃくしを見つけたのも、この池だけでした。

7月6日にはライトFITを設置しに出かけました。

(7月6日の一の瀬中溜池)

7月6日の一の瀬中溜池

國分さんは周囲を叩いてヒメカメノコテントウとフタモンクロテントウを採集しました。

7月9日にライトFITを回収に出かけたのですが、運悪く、設置直後に、溜池周囲の草刈りが行われたようで、ライトFITは片付けられ、放置されていました。
従って、何かいそうなのですが、この池ではまだ、何も採れていません。

つづく