今回は前回までとちょっと趣が変わります。
池とは言えませんが、主として小石原の湿地(放棄水田が主)についての紹介です。
小石原については、2023年に紹介したので、覚えている方もあると思います。
偶然に湿地を見つけて、キンイロネクイハムシ、スゲハムシ、スゲヒメゾウムシ、スジグロボタル、カタキンイロジョウカイなどを紹介しました。
(左から、キンイロネクイハムシ、スゲハムシ、スゲヒメゾウムシ)
(左から、スジグロボタル、カタキンイロジョウカイ)
このうち、キンイロネクイハムシ(今坂ほか, 2024)とスゲヒメゾウムシ(大塚・今坂, 2023)については記録しましたが、その他はまだ未記録です。
今坂正一・城戸克弥・國分謙一・有馬浩一・伊藤玲央・緒方義範・和田 潤, 2024. 2023年までに採集した福岡県RDB種の甲虫. KORASANA, (102): 147-167.
大塚健之・今坂正一, 2023. 福岡県小石原の湿地でスゲヒメゾウムシとババスゲヒメゾウムシを採集. 月刊むし, (630): 61-62.
小石原は、久留米から車で1時間余り、朝倉市杷木から国道211号線を北上し、英彦山への分岐である国道500号線との合流点付近一帯で、東峰村に属しています。
標高は450-460mで、小石原焼きの陶器の里として知られています。
周囲を山林で囲まれた盆地状の地形のため、本来は盆地内のいたるところが湿地だったと思われます。
そのほとんどは水田や畑地として利用されているため、そのつもりで見ないと湿地があることには気がつきません。
しかし、よく見てみると、年月の経った放棄水田は、本来の湿地に戻りつつあるようです。
福岡県RDBに掲載されている種を多く産するので、採集地点の詳細な場所は示さず、全体の地図を載せておきます。
(小石原の位置)
(小石原の範囲・地図の横幅が約3km)
さて、
2024年の小石原は、元々は2024年度の久留米昆の採集会を渓谷でやろうと考えて、その場所探しの一環で4月10日に國分さんと訪れたのでした。
雑木林の斜面が見えて、車を止めて、ちょっと歩いてみました。
(車道横の雑木林)
(二次林の雑木林の斜面)
緩い斜面を登ってみると、立ち枯れやキノコ等、少し虫がいそうで、ハンマーリングしてみました。
すると、思いがけなく、クロオオキバハネカクシ、オオヒメキノコハネカクシ、エグリデオキノコムシ、ヒメジョウカイ、ヒメクロコメツキ、ウスオビカクケシキスイ、キイロヒメハナムシ、ウスリーチビヒラタムシ、クロチビオオキノコ、ヒメカメノコテントウ、ツヤナガヒラタホソカタムシ、コモンヒメコキノコムシ、ミヤマツツキノコムシ、マダラツツキノコムシ、マルツヤキノコゴミムシダマシ、クロホシテントウゴミムシダマシ、ヒトオビアラゲカミキリ、ネムノキマメゾウムシ、マダラアラゲサルハムシ、ムナグロツヤハムシ、ツブノミハムシ、ホソルリトビハムシ、ヤツボシヒゲナガゾウムシ、ヒゲナガオトシブミ、カシワクチブトゾウムシが落ちてきました。
このうち、クロオオキバハネカクシは、確か福岡県の記録は無かったはずです。
調べてみると、辛うじて大分県の記録があるくらいで、九州では珍品のようです。
(クロオオキバハネカクシ)
この仲間は、上翅や腹部に黄褐色の紋を持つ種が殆どで、全体黒いのは本種しかありません。
また、キイロヒメハナムシとウスリーチビヒラタムシも、あまり見ない種です。
(左から、キイロヒメハナムシ背面・腹面、ウスリーチビヒラタムシ)
ちゃんと探せば、この雑木林の斜面もまだ、何か見つかると思いますが、今日の目的は川か湿地なので、道横の放棄水田(仮にここをA地点とします)を見に行きます。
(放棄水田A・7月23日撮影)
写真では解りませんが、放棄水田と樹林の間には小石原川が流れ、放棄水田の縁に沿って水たまりがありました。
水中を掬ってみましたが、ヒキガエルのオタマジャクシが大量にいるだけで、水生昆虫は小さいミズムシがいただけでした。
(放棄水田Aの水たまりとオタマジャクシ)
周辺をスウィーピングして、やっと湿地性のミヤマクビアカジョウカイ☆を見つけました。
(ミヤマクビアカジョウカイ)
なお、この後、小さい水たまりにいる種も含めて止水性の種には☆を、流水性および河川敷に限って生息する種(河川種)には○を、それぞれ、和名の後ろに付けることにします。
その両方で見られる種や、その他の樹林性・草地性の種には、印を付けません。
放棄水田が期待外れなので、別の所を探すと、林縁にイノシシのヌタ場と思われる湿地ぽい場所が見られました。
イグサが生えている空き地には、小さな水たまりがいくつか見られます。
(左から、林縁のヌタ場、その中の最大の水たまり・径50cm程度)
水たまりをかき回すと、小さなガムシが沢山いて、それはキベリヒラタガムシ☆でした。
もっと何かいるだろうと探すと、ホソクロマメゲンゴロウ☆が出てきました。
さらにかき回していると、キベリヒラタガムシより二回りくらい小さいガムシがいます。
(左から、ホソクロマメゲンゴロウ、微小なガムシの一種)
このガムシは体長2.6mm以下で、4個体いましたが、1個体には飛んで逃げられてしまいました。
帰宅してから、色々調べてみましたが、このガムシの名前が解りません。
北九州市立いのちのたび博物館の簑島さんがこの類の専門家なので、写真を送って見ていただきました。
すると、「コヒラタガムシでしょう」という返事で、この種のことを書かれたレビジョンを送ってくださいました。
Minoshima, Y. N., 2019. Taxonomic status of Enochrus vilis (Sharp) and E. uniformis (Sharp)(Coleoptera, Hydrophilidae). Insecta Matsumurana New Series (75): 1-18.
ただ、この報告では、コヒラタガムシの分布は北海道,本州(山口県以東)になっていて、九州の分布がありません。
また、体長も各地で変化し、南部ほど小型になるそうです。
本州産は2.8.3.4mmと表示されていますが、小石原産はさらに小さく2.6mm以下です。
♂交尾器も地域により多少変化するようですが、小石原産と並べると、若干違う感じもします。
(コヒラタガムシの♂交尾器、左から、Minoshima, 2019の付図、D,E: 本州南部産、F,G: 北海道産、小石原産背面、同 腹面))
その後、実物を簑島さんに送って、見ていただきましたが、「小さいのは気になるが、現状ではコヒラタガムシで良いと思う」と言うことでした。
また、九州初記録と思っていましたが、2022年に大分県宇佐市で記録されていました(三宅・堤内, 2022)。
さらに、その後、三宅さん等により、福岡県でも記録され、大分県中津市と玖珠町からも追加記録が出ました(三宅・堤内・簑島, 2024)。
福岡県産は、高倉さんが1983年に田川市で採集されていた個体が、いのちのたび博物館の高倉コレクションの中から見つかったものです。
三宅 武・堤内雄二・簑島悠介, 2024. コヒラタガムシの福岡県からの初記録と大分県からの追加記録. さやばねニューシリーズ, (54): 4.
(コヒラタガムシ、左から、三宅さんからいただいた玖珠町産の写真、小石原産背面・腹面、頭部腹面)
ご教示いただいた簑島さんと、三宅さんに、厚くお礼申し上げます。
さて、4月17日 このコヒラタガムシを追加採集すべく、國分さんを誘って、再度、小石原に出かけました。
本腰を入れて、この水たまりを始め、付近の水たまりを隅から隅まで掬ってみました。
しかし、キベリヒラタガムシ☆は沢山いるもののなかなか目的物は見つからず、チビゲンゴロウ☆とスジヒラタガムシ☆が見つかりました。
(スジヒラタガムシ)
結局、大分粘って、コヒラタガムシは、なんとか2個体追加できました。
帰宅後、さっそく簑島さんに標本を送付しました。
この日國分さんは、林縁を叩いてヒコサンモリヒラタゴミムシ、ベーツホソアトキリゴミムシ、エゾハネビロアトキリゴミムシ、ジュウジゴミムシ、ヒメジョウカイ、ホソチビオオキノコムシ、キクスイモドキカミキリ、アカクビナガハムシ、ドウガネツヤハムシ、ムナグロツヤハムシ、キュウシュウヒゲボソゾウムシ、ハイイロタマゾウムシを採られていました。
私も、水もの探索の後は、砂礫の河川敷の石起こしでオオアオミズギワゴミムシ○とハコネミズギワゴミムシ○を採り、
二次林のハンマーリングで、キンモリヒラタゴミムシ、フタホシアトキリゴミムシ、ツノブトホソエンマムシ、ヒメクロデオキノコムシ、ムナビロサビキコリ、ミヤマベニコメツキ、クビボソジョウカイ、ハロルドヒメコクヌスト、タイワンチビカッコウムシ、キバナガヒラタケシキスイ、ツヤマルケシキスイ、ウスオビキノコケシキスイ、ベニヒラタムシ、クビアカヒメテントウ、キタツツキノコムシ、コイチャニセハナノミ、キアシクビボソムシ、ナガハムシダマシ、クロホシテントウゴミムシダマシ、クロホソゴミムシダマシ、マルムネゴミムシダマシ、トゲヒゲトラカミキリ、ドイカミキリ、ケブカサルハムシ、ツブノミハムシ、ホソルリトビハムシ、セマルトビハムシ、コマルノミハムシ、ナスナガスネトビハムシ、カオジロヒゲナガゾウムシ、コモンヒメヒゲナガゾウムシ、チャバネキクイゾウムシ、ハンノキコブキクイゾウムシ、ミカドキクイムシを採りました。
このうち、ツノブトホソエンマムシはなかなか見つからない種です。
(ツノブトホソエンマムシ)
さらに、5月30日もこの水たまりを見に行きましたが、ほとんど干上がってしまって、水たまりは見られませんでした。
それでも、土の中からキベリヒラタガムシ☆は見つかりました。
それではと、場所を変えて、以前、キンイロネクイハムシを見た湿地へ行きます。
國分さんはコイチャコガネ、クロツヤハダコメツキ、ヒコサンクビボソジョウカイ、コクロヒメテントウ、ホソクビアリモドキ、キイロフナガタハナノミ、マダラアラゲサルハムシ、キバラヒメハムシ、ヒレルホソクチゾウムシ、コフキゾウムシを、
私はヒメマルハナノミ☆、ラインアシナガコガネ、ヒメクロコメツキ、アカハラクロコメツキ、キアシミズギワコメツキ○、コケシジョウカイモドキ、ヒメアカホシテントウ、ヒメカメノコテントウ、モモブトカミキリモドキ、キアシクビボソムシ、テツイロヒメカミキリ、アメイロカミキリ、クリチビカミキリ、ニセシラホシカミキリ、キンイロネクイハムシ☆、バラルリツツハムシ、イチゴハムシ、ブチヒゲケブカハムシ、カクムネトビハムシ、ルリイクビチョッキリ、ヒゲナガホソクチゾウムシ、カシワクチブトゾウムシ、カツオゾウムシ、ババスゲヒメゾウムシ☆、タデサルゾウムシを採集しました。
このうち、ヒコサンクビボソジョウカイは英彦山、飯塚市笠置山、宗像市城山などに記録のある福岡県の固有種で、小石原でも記録しました(前記の、今坂ほか, 2024)。
また、クリチビカミキリは北海道から九州まで落葉広葉樹林に広く分布しますが、福岡県では1例の記録しか有りません(釈迦岳: 今坂・城戸, 2018)。
今坂正一・城戸克弥, 2018. 2016年以前に採集した釈迦岳の甲虫類. KORASANA, (89): 93-110.
(左から、ヒコサンクビボソジョウカイ、クリチビカミキリ)
湿地のスゲ類につく、キンイロネクイハムシとババスゲヒメゾウムシも再発見できて、安心しました。
スゲヒメゾウムシの方は早春ものなので、もう発生が終わっていたのか見つかりませんでした。
(左から、キンイロネクイハムシ、ババスゲヒメゾウムシ背面・側面)
7月23日には、コヒラタガムシが飛来するかもしれないと思って、放棄水田Aで灯火採集をしてみました。
放棄水田の横に空き地があって、そこで白幕を張ってみましたが、少し風があって、この場所では無理そうでした。
それで、多少風よけになる林縁の車道に張ることにしました。
ほとんど車も来ないので、楽にすれ違いできるスペースを確保していれば大丈夫でしょう。
(小石原 放棄水田Aでの灯火採集)
さらに、放棄水田の水たまりのそばにもライトBOXを設置しました。
(放棄水田の中のライトBOX: ポツンと白く見える)
白幕には、止水性の種は、ホソセスジゲンゴロウ☆、ヒメゲンゴロウ☆、セマルガムシ☆、スゲクビボソハムシ☆くらいで、狙いのコヒラタガムシは来ませんでした。
一方、むしろ、川ものは多く、ヒメシジミガムシ○、コモンシジミガムシ○、ハンノヒメコガネ○、ヒラタドロムシ○、キベリナガアシドロムシ○、キスジミゾドロムシ○、イブシアシナガドロムシ○、アシナガミゾドロムシ○、アワツヤドロムシ○、ミゾツヤドロムシ○、ムナビロツヤドロムシ○、(仮称)マルチビドロムシ○、ヒメスナゴミムシダマシ○が来ました。
標高が450mもあるのに、ツヤナガアシドロムシではなく、中・下流域にいるはずのキベリナガアシドロムシが来たのは意外でした。
(キベリナガアシドロムシ背面・側面)
また、このシリーズの1と2で紹介したマルチビドロムシやヒメスナゴミムシダマシまで来たのにはビックリしました。
(左から、マルチビドロムシ、ヒメスナゴミムシダマシ)
アワツヤドロムシとミゾツヤドロムシが同時に来たのにも・・・。
(左から、アワツヤドロムシ、ミゾツヤドロムシ)
川はずっと繋がっているので、中流や下流の虫も、可能な限りどこまででも遡上するのでしょうか・・・?
遡上はできても、最終的に世代交代できる場所は、ある程度限定されるのでしょうが・・・。
ヨコミゾドロムシは池でも川でも棲めるので、印は付けませんでしたが、ここでも結構飛来しました。
(ヨコミゾドロムシ)
その他、ハンミョウ、トウキョウヒメハンミョウ、コヒメヒョウタンゴミムシ、ウスオビコミズギワゴミムシ、ヒラタコミズギワゴミムシ、クリイロコミズギワゴミムシ、ヨツモンコミズギワゴミムシ、タナカツヤハネゴミムシ、キイロチビゴモクムシ、キベリゴモクムシ、ミドリマメゴモクムシ、クロズカタキバゴミムシ、ムナビロアトボシアオゴミムシ、トックリゴミムシ、ニセヒメユミセミゾハネカクシ、ツマアカナガエハネカクシ、アカバナガエハネカクシ、アオバアリガタハネカクシ、キアシチビコガシラハネカクシ、
トビイロマルハナノミ、カドマルエンマコガネ、コスジマグソコガネ、ナガチャコガネ、コクロコガネ、サツマコフキコガネ、クリイロコガネ、ドウガネブイブイ、ツヤコガネ、ヒメコガネ、セマダラコガネ、オオスジコガネ、ヒメスジコガネ、タケムラスジコガネ、スジコガネ、リュウキュウダエンチビドロムシ、フタモンウバタマコメツキ、オオナガコメツキ、キバネクチボソコメツキ、セマダラナガシンクイ、ツマグロツツカッコウムシ、ミツモンセマルヒラタムシ、ナミテントウ、
オオメズカクシナガクチキムシ、ヒメホソナガクチキムシ、チャオビヒメハナノミ、クチキオオハナノミ、コクロホソアリモドキ、ツマグロキゲンセイ、ニジゴミムシダマシ、スジコガシラゴミムシダマシ、ニセノコギリカミキリ、ムナグロツヤハムシ、イチゴハムシ、オオミスジマルゾウムシ、オオミズゾウムシ、タデノクチブトサルゾウムシなど、上記の種も合わせると、74種が白幕に飛来してきています。
このうち、オオメズカクシナガクチキムシは結構珍しい種です。
(オオメズカクシナガクチキムシ、背面・腹面)
また、ヒメホソナガクチキムシも、北海道から九州まで広く分布する割に九州では珍しく、城戸(2000)による福岡県石割岳の記録しか見つけられませんでした。
城戸克弥, 2000. 福岡県石割岳の甲虫類[III]. 北九州の昆蟲, 47(2): 157-161.
本種かと思っても、殆どの場合、ソックリのキイロホソナガクチキムシです。
特にキイロは体色や体長に変化が多く、一見、本種に見える個体がよくいます。
しかし、両種の区別は、翅端が丸いのがヒメで、尖っているのがキイロと、翅端を見れば一目瞭然です。
(左から、ヒメホソナガクチキムシ背面・翅端、キイロホソナガクチキムシ翅端・背面)
トウキョウヒメハンミョウもこんな中山間地まで進出しているんですね。
さらに、放棄水田の水たまりのそばに置いたライトBOX(光源は白幕と同じHIDライト)には、意外にも、白幕より少ない55種が入っていて、川のすぐそばでありながら川ものも、むしろ少ない感じでした。
置いた場所の川側が立木で塞がれていて、明かりが届かなかったのでしょうか?
川もので追加できたのは、ヨツボシツヤナガゴミムシ○、キベリカワベハネカクシ○、カワベナガエハネカクシ○、ムナビロフタモンヒメキノコハネカクシ本土亜種○、マスダチビヒラタドロムシ○、タマガワナガドロムシ○くらい。
池ものもチビゲンゴロウ☆のみで、全然でした。
その他、追加できたのは、ヨツボシミズギワゴミムシ、チャイロコミズギワゴミムシ、イクビホソアトキリゴミムシ、アカケシガムシ、ニセメダカハネカクシ、チビクビボソハネカクシ、アカバヒメホソハネカクシ、ヒロエンマアリヅカムシ、チャイロチビマルハナノミ、マルトゲムシの一種、ヒメホソキコメツキ、クチブトコメツキ、デメヒラタケシキスイ、タカオヒメハナノミ、ムナグロホソアリモドキ、キイロフナガタハナノミ、コクヌストモドキ、モンチビゾウムシ、シロアナアキゾウムシなどで、むしろ白幕では見つけにくい小型種が多いような気がします。
(左から、ヨツボシツヤナガゴミムシ、ニセメダカハネカクシ)
ヨツボシツヤナガゴミムシは大河川の砂地河川敷で見つかる種です。
ニセメダカハネカクシも大河川の灯火で採ったことはありますが、生態は良くわかりません。
九州のデータ付きの記録はほとんど見たことがありません。
結局、この日の灯火採集では、白幕とBOXと併せて、ちょうど100種の甲虫が採集できましたが、どちらにしても、この放棄水田Aは、池もの採集地としては不適格のようです。
多分、ここは作物を作らないようになってから(放棄されてから)、まだ、それほど時間が経っていないのでしょう。
むしろ、川ものと、雑木林の虫が面白かったのは意外でした。
念のため、コヒラタガムシの水たまり周辺にいくつかライトFITを設置し、7月26日に回収しましたが、コヒラタガムシは入りませんでした。
ライトFITに入っていた47種のうち、追加したのはヒメガムシ○、ミヤマクワガタ、ヒゲナガビロウドコガネ、コイチャコガネ、コヒゲナガハナノミ、ホソチャイロツヤハダコメツキ、クリイロアシブトコメツキ、クシコメツキ、オオチャイロコメツキダマシ、ヨツボシケシキスイ、キイロホソナガクチキムシ、オオスミヒメハナノミ、キアシクビボソムシ、ヒコサンヨツコブゴミムシダマシ、エグリゴミムシダマシ、コマルキマワリ、ウスバカミキリ、ウスモンカレキゾウムシ、マエバラナガクチカクシゾウムシ、ミカドキクイムシの20種で、特筆すべき種も別段見当たりませんでした。
つづく