KORASANA 102号が発行されました

久留米昆蟲研究會より会誌 KORASANA 102号が2024年7月8日に発行されました。

事務局では希望される方にそのKORASANA 102号を3000円で頒布しておりますので、その内容について紹介したいと思います。

KORASANA 102号をご希望の方は、このホームページ右上の「おたより」をクリックして申し込まれるか、あるいは直接、事務局 國分謙一 kokubu1951@outlook.jp
までお申し込みください。

また、スマートフォンやタブレットでご覧の方は、左下のメニューから、最下段のおたよりを選び、申し込んで下さい。

KORASANA № 102. 20240708 目次

報文
今坂 正一・有馬 浩一・江頭 修志・城戸 克弥・國分 謙一・齋藤 正治・斎藤 猛・和田 潤
     [ 筑後川採集会で確認された昆虫類 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
小旗 裕樹 [ 福岡県筑後川中流域一帯で採集・目撃した甲虫類 ] ・・・・・・・・・・・・・・25
有馬 浩一 [ 筑後川河川敷で44 年ぶりに見つかったムネホシシロカミキリ ]・・・・・・・・・30
今坂 正一・有馬 浩一・國分 謙一・斎藤 猛
     [ 筑後川の甲虫相 -その1 中流域- ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
斎藤 猛  [ 福岡県での甲虫類採集事始め2021-2022 ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・107
佐々木公隆[ 福岡県久留米市田主丸町菅原片の瀬温泉の蛾類 2021-2023 年 ] ・・・・・・・114

國分 謙一 [ 福岡県の希少野生生物 2001 年版および2014 年版の内、
蝶に関する誤りの訂正と報告の基となったと思われる文献の紹介など ]・・・・118
今坂 正一・城戸 克弥・國分 謙一・有馬 浩一・伊藤 玲央・緒方 義範・和田 潤
     [ 2023 年までに採集した福岡県RDB 種の甲虫 ] ・・・・・・・・・・・・・・・147

伊藤 玲央・今坂 正一
[ 福岡県で採集されたカメムシ類の記録(2018~2023 年) ] ・・・・・・・・・・168
伊藤 玲央・今坂 正一・國分 謙一
[ 平尾台の半翅類 -2022, 2023 年の採集記録と文献記録- ]・・・・・・・・・181
時津 洋臣 [ ハラグロオオテントウの採集記録 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・195
伊藤 玲央・今坂 正一
[ 甑島列島におけるカメムシ類の追加記録 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・196
近藤 倫彦 [ 福岡県八女市矢部村でミヤマアカネを撮影 ]・・・・・・・・・・・・・・・・200
小旗 裕樹 [ 福岡県内各地で採集したゾウムシ類 ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・・201
小旗 裕樹 [ 福岡県(福岡市・小郡市)におけるセミ科の記録 ]・・・・・・・・・・・・・・204
廣川 典範 [ 感動の九州産ヒゲジロホソコバネカミキリ ]・・・・・・・・・・・・・・・・205
廣川 典範 [ 樹洞で採ったサドモリヒラタゴミムシ ]・・・・・・・・・・・・・・・・・・209
廣川 典範 [ 金立山の大門尾根でちょっと良いカミキリムシ2 種とオオキノコムシ1 種 ]・・211
鈴木 亙・笹岡 康則・今坂 正一
     [ 宮崎県綾町におけるチャイロツツクビコメツキダマシの追加記録 ]・・・・・・213
司村 宜祥・今坂 正一
     [ 2022 年に平尾台で採集した水生昆虫類 ] ・・・・・・・・・・・・・・・・・216

編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・219
訂正 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・220
投稿規定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・221

(表紙)

表紙

表紙デザイン・解説: 斎藤 猛

ちゃんとした知識や経験の後ろ盾のない私にとって、とりあえず絵にかいてみるのが(一見遠回り
に見えても)その虫に近づくには早道のような気がしています。そんな自分にとって、子どもの頃か
ら見慣れていたヒゲコガネが、実は今や貴重な虫のひとつ、と言われると、ちょっと意外…なんて
ことを思いながら改めてにらめっこしながら手を動かすのは、何だか不思議な楽しい時間でした。

(昆虫慰霊祭写真)

昆虫慰霊祭写真

久留米昆蟲研究會 第63回 昆虫慰霊祭 (2023.10.28 高良大社昆虫慰霊塔前にて撮影)

今号では、17名の著者(共著含む)による20編、220ページの大冊となっております。

今回は、福岡県レッドデータブック改定に会員の多くが参加・協力された事を受け、直接関係する甲虫とチョウの記事、また、レッドデータブック種を多く産する筑後川関連の報告を特集しました。

その他、カメムシ、トンボ、セミ、水生昆虫など、様々な昆虫類の記事が満載です。

まず、筑後川関連の報告です。

2022年度の久留米昆の採集会は、筑後川中流部の久留米市田主丸町菅原片の瀬で、2回に渡って開催されました。

(片の瀬の位置、筑後川中流域のほぼ真ん中)

その参加者の採集品を今坂が取り纏めて、甲虫119種、チョウ14種、セミ3種、バッタ15種、トンボ4種、水生昆虫21種、カメムシ60種を報告しました。

このうち特筆すべきは、齋藤正治さんが採集されたキバネアラゲカミキリです。

(キバネアラゲカミキリ)

キバネアラゲカミキリ

本種はクワの枯れ木に着く種で、佐賀県では良く知られていましたが、福岡県では記録がありませんでした。
この種の採集をきっかけに、筑後川の川岸にクワの大木が林立していることに、改めて気づかされました。

また、ニセセマルケシマグソコガネと思われる種も灯火に飛来しました。
海岸に居るはずのこの種が河川中流域までいるのかどうか、海岸と河川で違うのかどうかが問題となり、本種の記載者の一人、越智さんに同定をお願いして確認していただきました。

その結果、海岸に生息するのはニセセマルケシマグソコガネで、筑後川中流域産はセマルケシマグソコガネであり、2種が海岸の砂浜と河川中流域に、棲み分けている事が判明しました。

(左から、成虫側面、背面、左前脛節、左側が筑後川産セマルケシマグソコガネ、右側が北九州芦屋海岸産ニセセマルケシマグソコガネ)

左から、成虫側面、背面、左前脛節、左側が筑後川産セマルケシマグソコガネ、右側が北九州芦屋海岸産ニセセマルケシマグソコガネ

また、従来、河川の灯火では何処でも見られるタテスジナガドロムシと思っていた種が、実は、筑後川中流域のものは、主として大河川で見られるタマガワナガドロムシであることも解りました。

(左から、タマガワナガドロムシ、同腹部第一節の腿節線、タテスジナガドロムシ腹部第一節の腿節線、同、タテスジの方は腿節線内側1/3が欠ける)

左から、タマガワナガドロムシ、同腹部第一節の腿節線、タテスジナガドロムシ腹部第一節の腿節線、同、タテスジの方は腿節線内側1/3が欠ける

この採集会をきっかけに、大河川の調査が極めて不十分なこと、調査次第でまだまだ貴重な種が発見されることに、改めて気づかされました。

(筑後川採集会で確認された甲虫類)

筑後川採集会で確認された甲虫類

小旗さんは、この時の採集会のデータに、常日頃、筑後川周辺で採集されていたデータを加えて、報告を作っていただきました。

(ヒゲコガネ♂♀)

ヒゲコガネ♂♀

また、有馬さんは、この採集会に向けての予備調査で、灯火採集を試みられ、何と、ムネホシシロカミキリを採集されました。
この種は、やはり、クワの木に依存する種で、成虫はクワの葉を後食します。

(灯火採集風景と飛来したムネホシシロカミキリ)

福岡県ではクワの栽培が盛んだった1980年以前に、4例の記録がありますが、その後40年余り記録の無かった種です。なんとか、筑後川河畔で生き残っていたものと、感慨ひとしおです。

以上の記録に、文献記録、著者4名の個人的な採集記録、国土交通省が実施している「河川と水辺の国勢調査」などの記録を加味し、現時点での、筑後川中流域の記録を総括したのが、今坂・有馬・國分・斎藤等4名による「筑後川の甲虫相」です。

(筑後川の調査範囲)

筑後川の堤防より内側の河川内と河川敷、高水敷(併せて堤外地)から、計660種の甲虫を記録しましたが、中流域である夜明けダムから筑後大堰までの間で、主要10地点を選び、地点の植生等、特徴を述べた上で、地点ごとに出現する種を確認し、それらの種、1種1種が、どのような環境を好み、選んで生息しているかを考えてみました。

(表1 種ごとの生態的特徴と出現した地点・一部)

表1 種ごとの生態的特徴と出現した地点・一部

(表2 地点ごとの生態的に特徴的な種の比率)

表2 地点ごとの生態的に特徴的な種の比率

これらを通じて、河川で見られる甲虫類は、河川でなくては生活できない「河川種」、河川および溜池等の水辺、砂浜等に生息する「準河川種」、河川以外でも生活できるが、河川環境として広く存在する河川敷水辺、草地、河畔林を好む「汎河川種」の、この3者の合計が、全体種数の6割5部を占めることが解りました。

残りの3割5部は、河川には直接関係のない、河川の周囲に広く生息する「紛れ込み種」であることも明らかになりました。

また、全体的な筑後川の甲虫相を、琵琶湖岸砂浜(八尋ほか,2022)、嘉瀬川ダム(今坂ほか, 2022)とも比較して、より多角的に考えてみました。詳しくは、報告を確認してください。

八尋克郎・武田 滋・大槻達郎, 2022. 琵琶湖岸砂浜の甲虫相. 日本生物地理学会会報, 77: 3-17.

今坂 正一・祝 輝男・田畑 郁夫・古川 雅通・大城戸 博文・平原 健一, 2022. 嘉瀬川ダムの甲虫類-ダム完成直前4年間の甲虫相の変遷-. KORASANA, (99): 1-76.

一方、出現した種それぞれにも興味深い種が多く見られ、思わぬ発見も多かったです。
それぞれの種については図版と本文を参照してください。

(図版1)

図版1

(図版2)

図版2

斎藤さんは、今号の表紙を描いた人ですが、初めて、昆虫の報告も投稿していただきました「福岡県での甲虫類採集事始め2021-2022」。
斎藤さんには、今号から、編集にも加わっていただいたので、今後の活躍が楽しみです。

斎藤さんは久留米市生まれで、中流域では上流部にあたる朝倉市杷木でガソリンスタンドを営まれ、筑後川とは、ごく近いところで生活して来られた会員です。

そのスタンド内で見つけた昆虫から始まり、ご近所、そして、より遠い周辺へと、興味が広がっていく様子を書かれています。

斎藤さんの強みは、虫の画がうまいことと、発想が並の虫屋とは違う点です。
どこにでもいる普通種のヒメガムシを飼って、卵襄や幼虫を見つけた町町、ゲンゴロウ類の♂の前足符節の画を描いたり、普通はやらないことをやられています。

(ヒメガムシの卵襄や幼虫)

(ゲンゴロウ類の♂の前符節)

ゲンゴロウ♂の符節は、交尾の際、♀の背中に吸着して♀を確保する器官と考えられますが、詳しく見たこともありませんでした。
最初にこの画を見たときは、癒し系のオバケのようにも、イヤリングや小物の飾りのようにも、見えました。
他のゲンゴロウ類についても、ちゃんと確認すると、種ごとに細かく形態が違いそうで、分類に使えるかもしれません。

ヒメオビオオキノコの画もなかなか良いですね。
最初、白黒でしたが、ちょっと寂しいので紅をさしてもらいました。

(ヒメオビオオキノコ)

ヒメオビオオキノコ

スタンド内で、クロトラカミキリを採られていて、「何でこんなところで採れるの?」と訝しく思っていました。
福岡県内のクロトラカミキリの記録は、城戸さんのまとめ(城戸, 2019)によると、多くある戦前の記録は、ほとんど近似種の誤同定だそうです。
そして、戦後の正しく同定された記録は、平地~低山で得られた7例の採集記録があるだけで、ほとんど、何処で発生しているのか、とらえどころのない珍種のようです。

城戸克弥, 2019. 福岡県のカミキリムシ. KORASANA, (90): 1-132.

(クロトラカミキリ)

クロトラカミキリ

最近になって、朝倉市内の、斎藤さんのスタントからも、それほど遠くない柿畑近くの花に飛来している本種が、大量に見つかりました(未発表)。
あるいは、剪定された柿の枯れ枝から発生しているのかもしれません。

佐々木さんは、採集会を挟む2021-2023年度に筑後川の片の瀬で採集された蛾類54種を報告されています。

この中には、学名未決定種も3種含まれていて、あるいは、河川の蛾はまだ調査が十分でないのかもしれません。

(筑後川の興味深い蛾)

筑後川の興味深い蛾

次の、國分さんの報告は、福岡県レッドデータブック2001、および、2014の、蝶に関する記述の中の引用間違い等を検証されたものです。
國分さんは、福岡県レッドデータブック改訂の委員となられたことで、従来、疑問に思われていた、いくつかの記述について、過去のあまたの文献を詳細に調査されて、多くの新事実を突き止められました。

過去の文献を引用する際に、二次資料、三次資料を、精査することなく引用すると、おかしなことになるという教訓を含んでいます。

過去の文献を引用する場合、無批判に、全面的にそのまま引用するのではなく、当時の状況、つまり、その文献が書かれた当時の分類学の水準や、一般への浸透具合、その後の、分類の発展や生態の解明などを加味して、著者は批判的に記録を採用すべき、ということを述べられていると思います。

さらに、「2023 年までに採集した福岡県RDB 種の甲虫」は、今坂・城戸さん・國分さんのRDB(レッドデータブック)委員と、調査協力者である有馬さん・伊藤さん・緒方さん・和田さんが採集された、まだ記録されていないRDB種37種の記録をとりまとめたものです。
この結果も、福岡県レッドデータブックに反映されています。

単に、その種の記録が増減したことだけではなく、その種が依存する環境が増減していることを考えるために、可能な種では、生息環境と共に示しています。

(湿地とキンイロネクイハムシ)

湿地とキンイロネクイハムシ

(平尾台の草原とルリナガツツハムシ)

平尾台の草原とルリナガツツハムシ

(図版)

図版

伊藤さんを主著者にした「福岡県で採集されたカメムシ類の記録(2018~2023 年)」、「平尾台の半翅類 -2022, 2023 年の採集記録と文献記録-」、「甑島列島におけるカメムシ類の追加記録」の3編は、今坂と同行者が採集したカメムシ類を、伊藤さんに同定、整理していただいて、報告していただいたものです。

「福岡県で・・・」では、県産161種を報告しており、このうち、ダルマカメムシ、ニセクロツヤチビカスミカメ、クヌギカスミカメ、ミナミマキバサシガメ、ヒラシマナガカメムシ、ヒメコバネナガカメムシ、ヒメジュウジナガカメムシの7種は、福岡県初記録の可能性が高いようです。

また、特筆すべき記録として、コブハナダカカメムシが英彦山で採集されたことが挙げられます。
本種は、平地や沿岸地域での採集例がほとんどで、常緑樹であるスダジイやツブラジイが寄主として有力視されています。
しかし、今回の記録は、標高約550mのクヌギ林での発見であり、従来報告された以外の植物もホストになり得ることを示唆しています。

(図版)

図版

「平尾台の半翅類・・・」では、平尾台産として、文献記録を含め217種(異翅亜目148種、腹吻亜目4種、頸吻亜目65種)が報告されています。
今回の調査では、草地性の種がかなり補填されたことに加え、周囲やスポット的にある森林環境、点在する木本に依存すると思われる種の追加も目立ったようです。
なお、平尾台での採集は、福岡県RDBの関連で許可を得て採集したものです。

(図版)

図版

「甑島列島におけるカメムシ類・・・」では、新たに上甑島から6種、中甑島から9種、下甑島から5種の新分布知見が得られました。
また、中島(なかのしま)からは15種が確認されましたが、中島からカメムシ類が記録されることは初めてのことです。
今回、甑島列島初記録となった7種は、九州本土域に広く分布する種です。

(図版)

図版

一方、小旗さんには、城戸さんが福岡県内のゾウムシ類の記録を蒐集されていることに協力して、自身が採集された42種の記録を纏めていただきました。

この中には、比較的珍しい、セマルヒゲナガゾウムシ、ウミベヒメゾウムシ、チャイロヒメゾウムシ、ミドリサルゾウムシなども含まれています。

(左から、セマルヒゲナガゾウムシ、ヒラセクモゾウムシ)

左から、セマルヒゲナガゾウムシ、ヒラセクモゾウムシ

さらに、小旗さんは、「福岡県(福岡市・小郡市)におけるセミ科の記録」も報告されています。

廣川さんの、「感動の九州産ヒゲジロホソコバネカミキリ」、「樹洞で採ったサドモリヒラタゴミムシ」、「ちょっと良いカミキリムシ2 種とオオキノコムシ1 種」の3編も興味深い報告です。

(ヒゲジロホソコバネカミキリ♂♀と発生木)

ヒゲジロホソコバネカミキリ♂♀と発生木

(サドモリヒラタゴミムシと樹洞)

サドモリヒラタゴミムシと樹洞

廣川さんの独特の語り口には、隠れたファンがいて、投稿されるのを楽しみにされています。
今後とも、どんどん投稿していただきたいものです。

鈴木さん、笹岡さん、今坂の3名で、「宮崎県綾町におけるチャイロツツクビコメツキダマシの追加記録」を報告しました。

本種は、つい最近、日本で初めて、笹岡さん採集の綾町産♀が、鈴木さんによって報告された種です(鈴木, 2020)。

鈴木 亙 (2020) 九州から発見されたチャイロツツクビコメツキダマシ. さやばね ニューシリー
ズ, (39): 24-26.

2023年には、今坂と笹岡さんにより、それぞれ1♀が追加されたので、3名でその追加報告をしたわけです。
本種は元々、マラッカ、シンガポールそしてカンボジア産の個体に基づいて命名記載された種です。綾町で見つかった♀は、東南アジア産とは少し違う形質が見られ、それを確定するためには、♂個体の実検が必要なことから、多くの方に注意を促す意味で書かれた報告です。

(チャイロツツクビコメツキダマシ図版)

チャイロツツクビコメツキダマシ図版

なお、図版の説明が、チャイロツツキビコメツキダマシと間違っています。
十分に校正したつもりでしたが、見落としていたようで、お詫びして訂正します。

司村さん・今坂の「2022 年に平尾台で採集した水生昆虫類」は、今坂と國分さんが平尾台で採集した水生昆虫を、司村さんに同定・整理していただき、報告していただいたものです。
平尾台での採集は、福岡県RDBの関連で許可を得て採集しました。

カゲロウ目2科2種、カワゲラ目1科1種、カメムシ目2科4種、トビケラ目9科17種の計24種を記録しましたが、このうち、ハゴイタヒメトビケラは九州初記録になります。

(ハゴイタヒメトビケラ♂交尾器)

ハゴイタヒメトビケラ♂交尾器

台地上には、恒常的な目に見える形での溜め池も流水も存在しないにもかかわらず、灯火には多くの水生昆虫が飛来したことは非常に興味深く思えます。
多分、台上に数多く点在するドリーネ(すり鉢状の穴)が関係していると思われますが、ハッキリ解りません。

その他、近藤さんは、福岡県RDB種のミヤマアカネを八女市矢部村で撮影された報告を、
時津さんは、ハラグロオオテントウを福岡県大牟田市の自宅付近のクワの木より採集された報告を載せられています。