第十三回吉野ヶ里虫の会(648新年会)は、2019年1月26日(土)夕刻より吉野ヶ里温泉卑弥呼の湯で開催されました。
夕方から三々五々出席者が集まり始めましたが、今年初めての雪降りで、それも大雪で、あっという間に車の上には5cm近く積もってしまいました。
日帰りで、峠越えをして帰宅を考えられていた出席者の一人は、あきらめの境地のようでしたが、無事、帰宅されたでしょうか?
雪は一時的で、夜半には止んで、気温も高いことから、大半溶けていたようですが・・・。
今年は昨年ピンチヒッターで幹事を勤めた松尾さんが、事前に出席者にアンケートをとって、出席者の所属や専門・興味の中心をまとめた冊子を作って下さったので、初対面の人同士はなじみやすかったと思われます。
冊子では12回目と書いてありますが、調べてみますと、13回目が正しいようです。
手元の資料を調べてみますと、第一回目は2007年4月14日で、写真から判断するとファミレスでアセス関係者を集めて談話会を開いたようです。
(訂正
当初、上記のように書きましたが、写真を整理していたところ、以下の5枚が出てきました。と言うことで、正しい1回目は、2006年の12月20日に既に、吉野ヶ里の会場で開いていました。その際の名称は、「自然調査員交流会」です。
出席者は、写真で解るのは三宅、冨嶋、田畑、古川、祝、藤井、小原の各氏と、今坂です。
小原さんが見られている標本は今坂のアメリカ テキサスでの採集品です。
三宅さんは丁度、愛人と一緒(小原さん済みません)のような風情ですね。)
(と言うことで、第一回目として示した写真は、二回目との間に夏季に追加して開いた談話会と言うことになります。
これを入れると吉野ヶ里虫の会は14回目になりますが、煩雑になりますので、これはおまけと言うことにします。)
昆虫では幹事の祝さん、大城戸さん、古川さん、田畑さん、今坂、水生生物の藤井さん、陸上動物と鳥の津田さん、勝野さん等が出席されています。植物や動物の人があと2名ほど出席されていますが、にわかには、お名前を思い出しません。
第二回は虫屋の新年会として2008年1月18日にこの会場でやっています。ファミレスでは時間が短すぎて、かつ、ワイワイやるには他の人に迷惑が掛かると言うことで、祝さんが会場を物色されたようです。
気兼ねなくゆっくり話が出来るところということで、 ご自身が大好きな「温泉」+宴会場+ホテルという、吉野ヶ里の会場を見つけてこられたのだろうと記憶してます。
この時から、アセス関係者主体ながら、ほとんど虫屋ばかりになっています。
集合写真では、祝、古川、大城戸、西田、宮崎、廣永、宇木、築島のアセス組と共に、九大虫屋の細谷、高橋、横川の諸氏も見られます。
第三回は同じ2008年の12月27日に、虫屋の忘年会という名前で、この会場で開催していて、ホームページで紹介しています。
虫屋の忘年会 (吉野ヶ里虫の会3回目)
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=74
ちょうど、この頃にホームページを開設し、その後はずっと、会の様子を紹介しています。
集合写真では、この回から参加された三宅、佐々木、塚田、宇都宮、久村の常連組も見られます。
ちょっと意外なのは、九大の丸山さんの顔が見られることです。
田畑、冨嶋、岩切、平原氏など、懐かしい顔も見られます。
この時からすでに10年余りも経つのですね。あっという間に思えます。
ホームページ上の記録では、4回目(2010年1月23日)まで虫屋の新年会という名で、5回目(2011年1月15日)から吉野ヶ里虫の会という名を用い始めました。4回目から出席の松尾さんの命名のようです。
その後年に1度、12月か1月に開催していますが、どちらにしても、忙しい時期なので、12月が良い、1月が良いなど、両方の意見があります。まあ、そのあたりは幹事さんの意向で開催しています。
せっかくなので、全部のトピックを紹介しておきます。
虫屋の新年会 (吉野ヶ里虫の会4回目)
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=101
第五回吉野ヶ里虫の会 (ここで松尾さんが命名)
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=120
第六回吉野ヶ里虫の会
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=128
第七回吉野ヶ里虫の会
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=133
第八回吉野ヶ里虫の会
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=138
第九回吉野ヶ里虫の会
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=151
第十回吉野ヶ里虫の会
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=172
第十一回吉野ヶ里虫の会
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=183
第十二回吉野ヶ里虫の会
http://www.coleoptera.jp/modules/xhnewbb/viewtopic.php?topic_id=201
前置きが長くなりました。
第十三回吉野ヶ里虫の会は、例年のように、6時から始まりました。
前回から、座り机から、椅子席の宴会席になっています。
まず、幹事の塚田さんから挨拶で、松尾さんが作って下さった冊子の紹介と、次回からは松尾さんを幹事役に指名されました。
松尾さんは、冊子作りの手腕を買われたようです。
いつもは最若年の出席者が乾杯の音頭に指名されるのですが、塚田さんの趣味?
しばらく、鍋をつつき、ビールや焼酎を酌み交わし、雑談に興じて、やや腹が納まった頃を見越して一人一話。
まずは村尾さん。ご存じ、ハナバチ図鑑の著者で、現在はアセス勤務。
自身のホームページを開設して、ハナバチの話題を掲載されているそうです。
検索してみると、「ハチの棲むところ」というのがホーム、プロフィールとハチの生態メモのページが出てきました。後者では種ごとに生態・分布などのメモがあり、生息環境の写真が掲載されています。http://lasioglossum.jimdo.com
本会の名物叔父さん、甲虫屋の佐々木(茂美)さん。
日田から狭間町に引っ越して、不慣れなのか、少し元気がありません。
まあ、ムシが動き出す春になれば、もう少し活発になることを期待しています。
アセス勤務のカメムシ屋さんです。
毎年、下甑→天草下島→西彼杵半島→平戸島・生月島と、九州西岸のカメムシを1年間通い詰めて調べられ、様々な新発見をされていますが、そろそろ飽きてきたとのこと。
今後は山のカメムシを調べられるそうです。
フリーのアセス屋さん。山口から参加。
水生生物、猛禽類、両生類・爬虫類・ほ乳類など、何でもこなされるとか。
自身のテーマとしては水生昆虫で、山口県から未記録のゲンゴロウ、ガムシ他、様々な種を新発見されてるとのこと。
仙台市出身で九大卒業後、大分の公務員。カメムシ屋さん。
最近は離島巡りと洞窟にはまっているそうで、洞窟で採られたという日本初記録のゴミムシダマシの写真を見せていただきました。そのうち、報告されると思います。
この2年間調べた釈迦岳の話と、この春までには出版される甑島の甲虫の話をしました。
今年は、久留米昆では英彦山を、個人的には甑島を調べる予定です。
カミさんから、年齢を理由に、独りでは行かないよう釘を刺されているので、極力、同行者を募る予定。あちこち声を掛けますので、是非、どなたか付いてきて下さい。
昨年から、2回目の出席。元気なカミキリ屋さんで、お勤めの都合で、大分県から佐賀県に転居。山登りが大好きで、あのキツい祖母山頂まで何度も登頂されているそうです。
佐賀県では、脊振山系の余り虫屋が行かない金山周辺に通われているそうです。
今年の目標はキュウシュウヒメコブハナとヒゲジロホソコバネを九州で採ることだそうです。
大分県臼杵市から参加。九州でのタマムシ・コメツキムシご意見番。最近はゾウムシ類にもはまっているとか。
今日など、大分県内の高速道路は通行止めになっており、大分勢はまとまって、国道が渋滞の中、8時間ほと掛けて参加いただいたようです。その中でも最遠の臼杵市から、大変ご苦労様でした。
昨年は、対馬で新種と思われるナガタマムシとコメツキを、九州の洞窟でカネコメツキの新種を採集されたそうです。ツツミウチナガタマムシはすでにあるので、次のはどんな名前に?
昨年に続き2回目。昨年は愛媛大から。その後4月から九大院生。好蟻性のハチが専門で、カブトバチ亜科の分類と生活史がテーマ。趣味ではアリを始め、ハチ目全般を調べられ、甲虫もお好きとのこと。久留米昆会誌の次号には数個の短報を投稿中とか。
同じ九大院生の「ちゃんこめ」氏のブログから借用しました。それにしても変な奴ですね。
初めての参加。アセス勤務で、兵庫県篠山市→福岡市勤務。有剣ハチ類、特にハナバチに興味があり、チビコハナバチの仲間を勉強中とのことです。
お名前に覚えがあると思ってたら、西表島で採ったフタオビヒメハナカミキリの件で連絡いただき、標本の同定を依頼された人でした。この報告は、月刊むし(545)2016年に掲載されていますが、西表島にフタオビヒメハナカミキリが生息しているはずは無く、何らかの形で人為的に持ち込まれたと考えています。
アセス勤務で専門は蛾。古い写真を見ると、2回目から参加されているようで、常連の大分勢より古いようです。福岡に移られてから、俄然忙しそうで、そろそろ蛾の報告も出して欲しいところ。野崎さんと甑島調査もやられていたので、今年は是非、ご一緒したいと思っています。
アセス勤務。最近、唯一のノン虫屋で、エビなど水生生物が専門。仕事では常に、虫も触っていらっしゃると言うことで、本会にも欠かさず参加していただいています。
遠く、四国の高松から参加。アセス勤務。かつて福岡でお勤めされていた縁で、毎回、瀬戸内海を越えて参加いただいています。渋滞で苦戦した大分勢より、四国からだとそれ以上に大変な目に合われたのではと考えていましたら、なんと、阿蘇を抜けて来られたとか。あちらは雪はなかったのでしょうね。
専門は水生昆虫で、それより、珍品・綺麗のミーハー虫なら何でも好きとは本人の弁。今年は高知県のキマダラマグソコガネ、四国のミヤマダイコクコガネ、高知県のオオトラカミキリが最終(採集)目標だそうです。
九大院生の同級生・久末君に誘われて初参加。しっかり名前を売り込んでいました。あの、小さくて難しいアリヅカムシをやっているということで、今後は是非頑張ってほしいと思います。
アリヅカムシと言えば、現在は、押しも押されもしない国内の第一人者である野村氏が、中学生当時、当時伊万里在住の大石さんに連れられて、島原の拙宅に来られたのを覚えています。
大石→野村→井上と、アリヅカムシ三代を垣間見ることになり、今後、井上くんには、お二人に負けない仕事をして欲しいと思っています。
初参加で、嬉野在。もう退職されてフリー。
しばらくブランクがあり、復帰を待ち望んでいましたが、めでたく再稼働されたようで大変喜んでいます。今こそ一般的になりましたが、冬期のネズミ穴の糞トラップは彼の発案。斜面に溜まった落ち枝を篩に掛けてハネナシナガクチキを採る方法も彼。
見た目はただの叔父さんですが、頭の中は相当、他の虫屋とは違っている様に思えます。
昨年もあの小さなチビタマムシ類の雄交尾器での区別方法を解説されたばかり。
今後、また、どんな奇想天外な採集方法を編み出されるか、楽しみです。
公務員で博多昆会長、蛾屋さん。
釈迦岳調査には、率先参加していただいて、500種余りの蛾を記録していただきました。今年は、是非、大分県側の記録もまとめてください。
この何年かヒゲナガガにはまっていらっしゃるとか、繊細で綺麗な姿の写真を撮りためていらっしゃるようです。是非、その写真集も発表していただきたいと思います。
久留米昆事務局、チョウ屋さん。釈迦岳調査でスッカリ採集づかれて、今坂の誘いは殆ど断らず、結局、釈迦岳通いは2017、2018両年で50回以上。行けば(釈迦岳で)初めての種が採れるので、やはり行かなくては・・・とはご本人の弁。
今年は英彦山を頑張りましょう。そして、良かったら甑島にも付いてきて下さい。
文献蒐集が趣味で、庭にその為の倉庫まで作られ、今回、永年書きためてこられた「福岡県久留米市の昆虫等に関する文献」をKORASANA90号で公表されました。全124ページ、文献タイトル1279編が紹介されています。
2回目の参加。アセス勤務で、福岡→大阪に転勤し、今回は兵庫から参加。
昨年は中西さんで参加でしたが、プライベートと仕事は別姓でされているとか。
アンケートには昆虫少年がそのまま大きくなったような・・・と書かれていますので、そんな感じなんですかね。虫・クモ・鳥に興味があり、オオルリハムシやサツマニシキ、カタツムリトビケラに感動したことがあるそうです。
女性虫屋は少ないので、是非、頑張って存在感を示して下さい。今後も参加頂ければと思います。
今年までの幹事さん。東海大→青年海外協力隊→アセス勤務→フリーのアセス屋。
生き物なら動植物何でもOKで、最近は、外国産の甲虫を始め、カタツムリ、タランチュラ、サソリも飼育されているとのこと。
母校の東海大農学部が熊本地震で壊滅状態になったので、今年4月にはその復興の一環として標本展をやられるそうです。大型美麗種も展示したいので、ご寄付いただける方は是非よろしくとのことです。
鹿児島県昆虫目録も作りたいと言うことで、これは是非、そう遅くない未来に実現して下さい。
古い写真のとおり、第二回から参加されています。
九大准教授、コガネムシ上科の分類・DNA分析の専門家です。
しかし、この数年、テレビ等でお顔を拝見するのは、シカ・イノシシの害獣駆除とジビエの番組ばかりで、コガネの話を余り聞けないのが残念です。
肩書きは、「持続可能な社会のための決断科学センター 環境モジュール」所属、ということで、九大のホームページを覗いてみました。
「決断科学とは,さまざまな不確実性の下で,価値観の多様性を考慮しながら最善の決断を行い,その決断を成功に導く方法論に関する科学である.」との説明がありましたが、やはり、私には意味がわかりませんでした。
九大院生、この春から佐賀県の公務員に赴任されるそうです。
専門はナガコバチ科、コガネコバチ科だそうです。どんな虫かピンと来なかったので、彼の名刺の写真をコピーしてみました。
今後佐賀県内でハチ類を中心に分布調査などもやっていかれるそうで、大いに期待しています。
アセス勤務、初回から参加、元々はアリの分類・生態などの専門家ですが、仕事では、両生類・爬虫類・ほ乳類、陸産貝類、昆虫類など、何でも扱うので、採集・撮影を楽しんでいるそうです。
昨年は、ハッチョウトンボ、カワラハンミョウ、ホソハンミョウを見つけて楽しんだそうです。
アセス勤務、大阪から初めての参加です。ちゃっかり、仕事をかねて車で来られたそうで、しかし、この悪天候に、大阪から走ってくるのは並大抵では無かったと思います。そのため、到着も大幅に遅れて、宴たけなわも終わり頃、つついている鍋も残り少なくなった頃の登場で、気の毒でした。
それでも古い顔なじみも多く、久しぶりに会われて楽しそうでした。
仕事では水生昆虫を扱われていましたが、好きなのはタマムシ、カミキリ等、甲虫類だそうです。
アマミキンモンフタオタマムシ Tokaranodicerca shimonoi Hattoriの最初の採集者で、種小名は彼に献名されたものです。
大分昆虫同好会会長、ほぼ、九州虫屋の長老と目されてますが、その動きたるや、若い者は殆ど追いつきません。蝶・甲虫を始め全昆虫を対象に毎年、新種、新記録を続々発表されています。
九州全域を始め、昨年は、南大東島、石垣島、対馬に遠征され、いずこの場所でも、ニュー候補を採られている模様。
例年の長話も、今年はなぜか短く、スマートでした。
フリーのアセス屋で、ニホンミツバチの養蜂もやられています。久留米昆の編集・ホープ。彼がいなければ、500ページ超えの会誌発行は実現していません。
第二回に既に出席されていますが、若いですね(20歳になったばかり?)
八女市の廃坑の生物を調べられていて、チビゴミの新種やら、ガロアムシやら、様々な珍虫・生物を見つけられていますが、種名が確定できず、なかなか発表する段にならないそうです。諦めず、全貌が発表できるよう頑張って下さい。
甑島の話をしていたら、サッと12月に出かけてチビドロムシを始め、水生甲虫を採集してこられました。どうも、ニューも含まれていそうで楽しみです。
さて、次期幹事も決まった佐世保の松尾さんですが、長崎昆会誌の編集や、長崎県のRDB委員も引き受けていらして、今年は特に忙しくなるでしょうね。
対馬の甲虫全種リストを作成中ということで、昨年も同行者数人を募って対馬で調査されました。
かなり色々成果があったように伺っています。
今年もやられるということで、同行者の獲得競争で、今坂の甑島と綱引きをやっております。
さて、どちらが多くを集めるか、結果は、来年のお楽しみです。
下関から出席、日本ユスリカ研究会会長、ユスリカ研究の権威です。
フリーでハエ目を始め、昆虫全般の同定業も営まれています。
西表・石垣島に分布するShangomyia属の種の分類学的位置について、新しい族、或いは、新しい亜科とも考えて良い特徴が有るそうです。
新亜科を作るなど、よほどそのグループの世界的な分類が頭の中に入っていて、なおかつ、それほど驚異的な特徴を持つ種に出会わない限り無理ですね。
フリーのアセス屋、佐賀昆事務局兼編集者。蛾と蝶と蜻蛉が専門です。
地元でもあり、初回からずっと参加されています。お休みされたことがありましたか?
20年以上、佐賀の昆虫を編集し、このほど、写真の2冊を最後に卒業されました。
長い間ご苦労様でした。いろいろお世話になりました。
長く、ご自宅で灯火採集をやられて、佐賀県初記録になる種も多数採集されていると言うことなので、少し時間が取れれば記録していきたいと言うことでした。
その後も時間まで歓談。
従来、2次会に使っていた居酒屋さんが無くなったと言うことで、今年は別の店へ。少し遠くなりましたが、10分ほど歩いて到着。こちらも安くてなかなか居心地の良い店でした。
(翌朝、ホテルのロビーで)