今坂正一・堀 道雄 (2009. 3. 18作成)
以下のチェックリストは、 芦田 久(2007)ハンミョウの分類. 昆虫と自然, 42(8): 5-8.
をベースにして、今坂が編集し、堀さんに監修・追加訂正して頂いて作成したものです。
また、種の配列は、ほぼ上記の、芦田(2007)に準拠しています。この解説では伝統的な配列に従っていますが、最近の分子系統などの成果とも大きな矛盾は無いようです。
離島などの分布地名の略称は九大昆虫総目録に準拠しています。
また、インターネットではアルファベット以外の文字は使用が難しいので、命名者などの特殊な文字はアルファベットで代用してあります。
日本産ハンミョウ科チェックリスト
ヤエヤマクビナガハンミョウ Neocollyris loochooensis (Kano) 石,西,与那
シロスジメダカハンミョウ Therates alboobliquatus iriomotensis Chujo 石,西
シロスジメダカハンミョウ屋久島亜種 Therates alboobliquatus yakushimanus Nakane 屋,奄,徳,沖縄
ルイスハンミョウ Cicindela lewisi Bates 本州,四国,九州
ミヤマハンミョウ Cicindela sachalinensis Morawitz 北海道,本州,四国,九州(註参照)
アイヌハンミョウ Cicindela gemmata aino Lewis 北海道,本州,四国,九州,対
コニワハンミョウ Cicindela transbaicalica japanensis Chaudoir 本州,四国,九州
ニワハンミョウ Cicindela japana Motschulsky 北海道,本州,四国,九州
アマミハンミョウ Cicindela ferriei ferriei Fleutiaux奄,加計
アマミハンミョウ徳之島亜種 Cicindela ferriei indigonacea (Miwa) 徳
ハンミョウ Cicindela japonica Thunberg 本州,四国,九州,対,種,屋
オキナワハンミョウ Cicindela chinensis okinawana Nakane 沖縄
タイワンヤツボシハンミョウ Cosmodela batesi (Fleutiaux) 西
ハラビロハンミョウ Calomera angulata niponensis (Bates) 本州,九州,種
タテスジハンミョウ Lophyra striolata dorsolineolata (Chevrolat) 沖縄,石,西
カワラハンミョウ Chaetodera laetescripta circumpictula (W. Horn) 北海道,本州,四国,九州
マガタマハンミョウ Cylindera ovipennis (Bates) 北海道,本州,佐
ホソハンミョウ Cylindera gracilis (Pallas) 本州,四国,九州
トウキョウヒメハンミョウ Cylindera kaleea yedoensis (Kano) 本州,九州
リュウキュウヒメハンミョウ Cylindera humerula (W. Horn) 沖縄
ヒメヤツボシハンミョウ Cylindera psilica luchuensis (Nidek) 石,西
エリザハンミョウ Cylindera elisae elisae (Motschulsky) 北海道,本州,四国,九州
エリザハンミョウ御蔵島亜種 Cylindera elisae mikurana (Nakane) 伊
オガサワラハンミョウ Cylindera bonina (Nakane et Kurosawa) 小
コハンミョウ Myriochile speculifera (Chevrolat) 北海道,本州,四国,九州,種,ト悪,奄,喜界,加計,徳,久米,伊良,与那
シロヘリハンミョウ Callytron yuasai yuasai (Nakane) 本州,四国,九州,伊,対,屋
シロヘリハンミョウ沖縄亜種 Callytron yuasai okinawaense Hori et Cassola ト宝,奄,加計,喜界,徳,沖永,与論,沖縄,久米,伊良,石,西,与那,南大,尖閣北小
ヨドシロヘリハンミョウ Callytron inspecularis (W. Horn) 本州,四国,九州,種
イカリモンハンミョウ Abroscelis anchoralis punctatissima (Schaum) 本州,九州,種
以上のように、日本産は25種4亜種に整理されます。
このうち、芦田(2007)では、エリザハンミョウ御蔵島亜種mikuranaと、アマミハンミョウ徳之島亜種indigonaceaは扱われていません。また、ハラビロハンミョウの亜種 niponensisは採用されていません。
これらのタクサについては、今後、研究者間で、さらに議論されるものと思います。
それから、ミヤマハンミョウの分布ですが、本種の確実な生息地は本州中部(白山)以北で、比較的最近、四国(剣山山頂付近)で確認されています。九州からは、唯一、鹿児島県高千穂峰(井上, 1963)の記録がありますが、再確認が必要のようです。 引用文献
井上定雄(1963)高千穂峰に於ける甲虫. SATSUMA, (35): 30-31.
Rivalier, E. (1950) Demembrement du genre Cicindela Linne (Travail preliminaire limite a la faune palearctique). Revue Frnacaise d’Entomologie, 17: 217-244.
Rivalier, E. (1957) Demembrement du genre Cicindela Linne III. (Travail preliminaire limite a la faune Africano-Malagache). Revue Frnacaise d’Entomologie, 24: 312-342.
Rivalier, E. (1961) Demembrement du genre Cicindela Linne IV. (Travail preliminaire limite a la faune indomalaise). Revue Frnacaise d’Entomologie, 28: 121-149.
Wiesner, J. 1986. Die Cicindelidae von Sumatra, 9. Beitrag zur kenntnis der Cicindelidae (Coleoptera, Cicindelidae). Mitteilungen der Munchner Entomologishen Gesellschaft 76: 5-66